ティレシア
- 木立に近づくと、不安になるような言葉を交わす二つの声が聞こえる。一つはもの静かなバリトン。泣きそうな声だ。「お願いだ、ティレシア。一緒にいたいんだ。それならもういっそ死…」
- ティレシア
- サテュロスは草笛を吹き、笑顔のドライアドはそれに合わせて手を叩く。あなたを見ると、手を振ってくる。「おかえり!」
- 「本当に? 良かった! でも何で会いに来ないの? 私のこと忘れたの? ずっと会ってないせいかな…」
- ドライアドは大きなため息をつき、何かを思い出すように目を閉じる。「美しい場所だった。フェイの王国の端にある人間の村。何世代にも渡ってフェイと共存していた。友情、時には愛で結ばれた!」ドライアドは目を逸らす。「でもそれは…
- 「ね…」ドライアドは不安げなサテュロスに優しく話しかけた。「彼もそう言ってる。ここにはいられないのよ。寂しくなるけど、目の前で死なれるのは耐えられない」
- どうにか音楽を無視し、集中した。魔法を払いのけると、感情が流れ落ちていくのを感じる。可哀そう? 助けたい? あなたは魔法をかけられずに済んだ! 意識がはっきりするにつれて、サテュロスの顔は青ざめ、後ずさる
- 「結婚式の日のこと。人間たちとフェイが二人の結婚を祝おうと集まっていた。すると突然、宴の最中にカリトロプシアが変身したの… 怪物になったのよ…」ドライアドは声を落とし、辺りを見渡す。誰かに聞かれるのを恐れているようだ。「
- ティレシアは笑みを浮かべた。「あなたの世界とフェイの世界は広大だけど、関わることは滅多にない。残念ね。人間とフェイが触れ合う時こそ、大きな喜びが生まれるというのに。2人が愛し合い、新たな生命が誕生すればなおさらね」
- 「ありがとう! これがお礼よ」ティレシアは小さな箱を手渡す
- 「フェザートークン? いいけど… でもその前に頼みたいことがあるの」
- 「目覚めるべきじゃなかった」ドライアドは穏やかに言った。「眠りに就くわ。今度は永遠に。ファルコスを説得してくれてありがとう。遠くで生きていた方が彼のため。ほら、これを受け取って。もう必要ないから」ドライアドは小さな箱を渡
- 「ここから南に行った先の大きな空き地にいるわ。ご武運を! ここで待ってるから!」
- サテュロスとドライアドは不安げにあなたを見つめ、小声で何か話し合っている
- ドライアドは目を細め、腕を組む。「“死ぬ”は余計じゃない?」
- 「そうね! 私たちを助けてくれるならきっと女神は力を貸すわ!」
- 「そういうこと… 彼女を怪物に変えるほどの憎しみだなんて! 呪いをかけた人に何が起きたかは想像に難くないわ」
- 「メリアンスとはいつも分け合ってるから! はい、どうぞ!」
- 「サイズ・ツリーは私たちを放っておかない。勇敢なだけじゃ倒せないわ、ファルコス。いつか殺される」ドライアドは期待の眼差しを向ける。「お願い、あれを倒して! 私たちもあれも十分苦しんだ。お礼はするから!」
- 「彼女がまだ生きているなら、私たちのことなんて覚えてないはず。お父さんは寂しがってたわ。亡くなった時の彼の目、悲しみが伝わってきた」ドライアドは沈黙し、目を逸らす。再びあなたに顔を向けた。「人間とフェイは愛し合う、とても
- 「人間は逃げた。あるいは殺された。フェイも同じ。王国は息絶えた。私は木から離れられなかったから、それから何年も眠り続けた… 美しい音楽を奏でる笛の音で目覚めるまで」彼女はファルコスに向かって微笑んだ
- 「ありがとう! この恩は忘れないわ!」
- 「大したものじゃないけど…」ティレシアは木の根の下から小さな箱を取り出した
- 金貨を見るなり、ドライアドの顔がひどく青ざめる。「これ… これは呪いよ。女王を憎む誰かが自身を犠牲にして彼女を壊したんだわ!」
- 「愛しい人…」泣きだしそうなティレシアの声が震えた。「前に戦った時だって死にかけたじゃない! お願い… 我慢するから。また眠りに就くわ。あなたが死ぬくらいなら生きて離れ離れになる方がいい」
- 「お父さんがまだ生きていれば… あ、そういえば彼女宛ての手紙を預かってたんだ! どこにしまったっけ。ちょっと待ってね…」
- 「生きていてほしいの!」少女ははっきり言った。「ファルコス、あなたは白馬の王子様。誰よりもあなたを愛してる! でもここに残ったらあなたは… あなたは…」少女の声は小さくなり、ついには泣き崩れた
- 「そう! それに枝がすごく長いの! 気をつけて。遠くまで届くから」
- 「ええっと… あれは…」ティレシアは指を折り曲げ爪の真似をし、何かを掴むふりをする
- ドライアドは微笑む。「本当にありがとう!」
- 木の中を探し回った後、ドライアドは巻かれた羊皮紙を持ってきた。「これ。彼女に渡して。お父さんの遺言が書かれてる。顔を見せてって伝えて! 会いたくて仕方ないわ!」
- ファルコスはにっこりと笑い、ティレシアは涙を拭いた。「あなたに平穏があらんことを」
- ドライアドのこの世のものとは思えない声が聞こえてくる。甘美な声… だが苦痛に満ちている!「あなただけが頼りなの。お願い、サイズ・ツリーを殺して!」彼女の言葉を聞いた途端、温かい涙が頬を伝った
- 「私はティレシア。ここには私の木が芽吹いて陽の光を浴びた日からずっと住んでる。彼は遠い所から来たファルコス。私たちは…」
- 「いいえ、大物よ! 大きくて、恐ろしくて、凶暴な獣! あれと戦えばきっとあなたの神は喜ぶわ!」
- 「そう、例えば… 私の木と私がもっと若かった頃、ここにエルガ・ヴァーニエクスという少女が住んでいた。村に住む女の娘だった。父親はサテュロス。皆、彼女を愛していた。育ち、笑い、学ぶ姿を見守った…」ドライアドは悲しそうに首を
- 「ありがとう! あなたは恩人よ!」
- ドライアドは恋人に向かって意味深で悲しげな目を向け、ため息をつく。「また死ぬ話? 今度は誰と戦うつもり?」
