ベルデームばあさん
- 老婆は顔をしかめる。「“ベルデームばあさん”で通ってるけど、酷い時には“クソ婆”とか“魔女”って呼ばれるね。悪魔と姦通しただの子供を盗んだだの…」不満を口にする。「そういう噂話から離れたくてここに来たのに、駄目みたいだ。
- 返答には怒りが感じられるが、それが本物かどうかはわからない
- 「男の子? 小僧なんかに用はないよ。まさか瓶に入れて漬物にするとでも? 冗談はよしな!」彼女は喉を鳴らして笑う。「平穏を望む婆は子供をさらう魔女に違いないだなんて、まったく誰が言ったんだか」
- 「あたし? あたしは平穏な暮らしを望む、ただの無害な婆だよ… “ベルデームばあさん”で通ってるけど、気にしてない。もっと酷い呼び名もあったからね。そんなこと聞いてどうする? ここに何の用だい?」
- 「何が子供をさらったか何て知るわけないだろう!? ゴブリンにでも食われたか、彷徨う光につられて沼に落ちたのかもねえ! それか本当は母親の狂言で、眠ってる子供を絞め殺して森に埋めた後、その罪を誤魔化そうとしてるんじゃないか
- 老婆は手を叩いてにやりと笑う。茶色の不揃いな歯を剥き出しにする。「良い子だ! 見つけるのに時間がかかっただろ? ほら寄越しな。大事に使ってやる…」
- 「そうこなくては! 場違いな所をうろついてべらべら喋るよりずっとマシ… ほら、これだ!」妙にしわのある黒いキノコをベルトの鞄から取り出した。変な臭いで涙が出てくる。「これ、これはブラックラトルキャップだ。内部に胞子入りの
- 「ほらね、理由もなく誰かを傷つけたことなんてないんだよ。あたしを傷つけようとする奴はいたが… 後悔したに違いないさ。けど人ってのは学ばないもんだよ。ああ、まったく…」不快な表情を浮かべる老婆は緑がかったしわくちゃの手を振
- 老婆はきのこの匂いを嗅ぎ、一口かじる。ゆっくり噛みしめ、にやりと笑う。目がきらりと光る。「ハ! 効くねえ! よしよし、これでいい!」
- 「こりゃ驚いた、質問だってさ!」嘲笑うかのように唇を歪める。「乞食みたいに戸をひっかくあんたみたいな奴に何を答えろってんだ。あたしのために何かしてくれたかい? 何もしてくれないなら何もしてやらないよ!」
- 怒りに震えている。プライドの高い女であることは間違いない。冷静さを失っているところを見れば、嘘を言っているとは到底思えない
- 骨ばった指でハーブを受け取り、臭いをかぎ、満足げに頷く。「目が利くようだねえ! ハーブは便利だけど、単体じゃ役に立たない。ほらこれ」
