リンジィ
- 「ハハハ、そうでしょうね! それに関連して、聞きたいことが…」
- 「英雄の伝記によくある問題が何だか知ってる? それは何年も後に書かれるってこと。良い時は事態を傍観していた人の話に基づいている。悪い時? 誰かが兄弟から話を聞いて、でもそれは友達から聞いたもので、その友達も親戚から聞いて
- 「まあそうね、彼女は素敵… 素手で熊の頭を引きちぎれそうだし! でも…」リンジィの声が囁きに変わる。「ちょっと怖いよね、ちょっとだけ! だってほら。彼女の剣ってあたしの倍ぐらいの大きさだもん! 簡単に切り裂かれそう! ち
- 「それで思ったの、あたしがその吟遊詩人になればいいって! 相応しい英雄を見つけて、壮大な冒険について行けばいいだけ。良い計画でしょ? そしてあたしたちはここにいる。目前には英雄の旅。じゃあ英雄になるのは誰? どうせ死ぬっ
- 「こんにちは! あたしはリンジィ! 吟遊詩人をやってて、これが初めての冒険なの。じゃあ、牡鹿の王とやらの性根を叩き直しに行こっか?」
- 「馬鹿げてないわ! 説明させて」
- リンジィは顔をしかめた。「あたしの物語がくだらないって言うの? 読んでもいないくせに。まあ、批判はつきものだから。あなたなんかの手伝いしたくないんだけど?」
- 「よろしく! その、ちょっと聞きたいことが…」
- 「決まりね!」
- 「しっ! 静かに! お出ましよ」
- 「冗談なんか言ってる暇ない! 邸宅が攻撃されてるのよ!」
- 「あれ、ちょっと予想外… お願い、説明させて!」
- リンジィが部屋に駆け込んで来た。怯えているようだ。顔はすすだらけで、両手に武器を持っている。「助けて! 助けて!」
- 小さな吟遊詩人は歓喜のあまり飛び跳ねた。「やった! 次のページに進もう! 今度は刺激的で素晴らしい物語を書くの。未来の男爵の勝利の物語! あと彼の邪悪な宿敵が無様に敗れる話も」リンジィはタートゥチオに向かって舌を出した
- 「ここにいちゃだめ! 邸宅が攻撃されてる!」
- 「それで何のために傭兵をしているの? お金のため? 栄光のため? 何百年も語り継がれるような、記憶に残る偉業を成し遂げたくないの? 話を聞いて!」
- 「ハーックション! 埃のダンジョン掘り進み、未知の何かを探してる。それにこのしかめっ面! 怒って、怒って、怒ってばかり。未来の男爵との冒険がこんなだなんて。本に何て書けばいいの? 埃塗れの箱を開けようと頑張ったこと?」
- 「変なことじゃないよ、大丈夫! ただちょっと聞きたいことが…」
- 「悪党が侵入して、皆を殺し始めた! あたしは何とか逃げてきたの! ほら早く、衛兵と一緒に襲撃者を退けないと。じゃないと一人ずつ殺されるわ!」
- 「本当に? うーん… わかったわ。考え直してくれるといいんだけど」
- 「邸宅が攻撃されてる! 助けないと!」
- 「あのタートゥチオって人をどう思う? あたしはすごく感じ悪いと思うんだけど。勝手に部隊のリーダーだなんて言い張って。男爵位… とか何とかを狙ってるだけでしょ。とにかく! 彼は嫌… あなたがリーダーになるべきよ! 一目見て
