堕ちたメイガスの本
この呪文書に残っているのは、破れた表紙だけだ。表紙には"リアフェラ・ドマーレ"と書きなぐられた名前を、わずかに見て取ることができる。背表紙には鉛筆で描かれた5人の冒険者の肖像画が貼られており、その下には繊細な字で、"サンドポイント偵察部隊"と題が書かれている。前には曲刀を持ったハーフエルフの女性と、弓を持った人間が互いに肩を組んでニッコリと笑っている。彼らのそばではスマラグダと短く書かれたハーフリングの女性が皮肉っぽい笑みを浮かべている。彼女のベルトには小瓶がいくつもぶら下がっており、背中には携帯用の小型ラボを背負っている。その横にドワーフのルブゲンが堂々と立ち、身長と同じくらいに長い斧を鎧の肩へ重そうに乗せている。その後ろにはデズナの蝶で飾られたローブを着た女性が立っている。彼女は自分の存在感を意識しているかのように、杖へともたれかかっている。その下には、ティオコという名が書かれている。彼女の顔には痘症の痕がある。その絵は怒りで荒らされており、ハーフエルフ以外は、目に横線が引かれていた。ドワーフの横には手書きの文字が書かれており、「宝物のことは黙ってろ! よくも怒らせやがって!」射手の横には、「罠を閉じておけ。さもなくば、もう黒い目など気にしていられなくなるぞ!」錬金術師の隣には、「他の奴と一緒に食ってろ、愚か者め! 誰も毒を盛るほどお前の事を気にしちゃいない!」と書かれている。そして神官は大変な屈辱を受けていた。本に落書きした者が激しい感情を込めて書いたために、羽ペンが紙を破りそうなほどだ。「あばずれめ! 今度呪文をかけたら、両腕をへし折ってやる!」
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