ウェイン
- 「お… お… 俺は… ウェ… ウェイン」彼はなんとか最後まで言えた。目を見開きすぎて目玉が落ちそうだ
- ウェインは困惑した表情で足元に目を向け、つま先を動かした。「ドカーン」ついに口を開いた
- 「商人… 俺たちは… 商人だ、レクセンと俺の二人! 俺たちは…」彼はぼんやりと手を振る。落ち着きを取り戻すとべらべら喋り始めた。「よくここの魔術師を訪ねて、食い物をやる代わりに魔法の道具を貰うんだ」
- ウェインは飛び上がり、森に向かって一直線に走り出した
- 「助けてええええ!」男はあなたに気付くと、叫ぶのを止める
- 「最後に来たのは一ヶ月前だよ。物資を渡したんだ。今日は帰るついでに約束の納品物を回収しようと思って… 俺が魔術師の家に行ってる間、レクセンには荷車を見張ってもらった」
- 「あの魔術師は家の周りに罠を張り巡らせてる。トロルを寄せ付けないためだよ。人間が怪我しないよう道の脇に警告標識も立ててる。道に沿って歩けば大丈夫。トロルは馬鹿で字も読めない。だから罠に掛かるんだ」
- 「や… やってみるよ。ただ… 近くにいてくれ、頼む。手も繋いでほしい。それか… おんぶしてくれ。頼む。駄目か?」
- 「ああああああ!」ウェインは急に走り出し、つまずいた。体勢を立て直すと、脇目も振らずに走り続けた
- 「お礼に渡せるものはない。結局魔術師の家には辿り着けなかったんだ。二度と行くもんか! くそったれ!」ウェインはため息をつく。「レクセンを探した方がいい。今も荷車の近くで待ってるはずだ。もうすぐ行くって伝えてくれ。お礼は彼
- あなたの言葉を反芻したウェインの頬に涙が伝った。しかし今度は腰を抜かさず、道に向かって走り出した
- 「死んだ? そんな! ファラズマよ、彼の魂を救いたまえ。なんて日だ…」
- 「あんたは邪悪! 真の邪悪だ! どっか行け! 誰か助けに来るはずだ! 必ずな!」ウェインは相も変わらず叫び始める。「助けてええええ! 助けてええええ!」
- 「死んだ? そんな! ファラズマよ、彼の魂を救いたまえ。このブローチはレクセンが妻の誕生日にと言って買ったものだ。ありがとう。必ず彼女に渡そう。今日は本当に助かったよ」
- 「終わりだ。グロトゥスよ、我が魂を救いたまえ」
- 「あ、あ、ありがとう!」歯はまだガタガタ鳴っているが、頭は回り始めたようだ。「ありがとう! 命の恩人だ!」
- 「でも… 生きる意味がないなら、これからどうすればいい?」
- 「なんて日だ、なんて日だ! ファラズマよ、我が魂を救いたまえ」
- ウェインはあなたを呆然と眺めた後、肩をすくめる。「四時間? もっとかも…」
- 「そ… そんなの… 無茶だ! 出来るわけない、だろ? 転んだりつまずいたり枝に頭をぶつけたらどうする? 何が罠かわかったもんじゃない! いや全部罠だ!」ウェインは再びパニックに陥る
- 「あ、あ、ありがとう!」歯はまだガタガタ鳴っているが、頭は回り始めたようだ。「あんなに走ったのは初めてだ。全力で道まで走れるよう、わざと脅かしたんだな」
- ウェインはじっとあなたを見つめた後、頷いた
- 「なのに俺は道から外れた! 茂みの中で何か光ったんだ。近づいたら… ドカーン! 吹っ飛ばされた」ウェインはさっと両手を上げ、爆発の衝撃を再現する。「地面に落ちた時には、もう怖くて動けなかった。辺りは罠だらけ。もう一度吹っ
- 「助けて! 助けて!」あなたを前にしても男は叫び続ける
