「首都の雑音が聞こえます。商人たちの叫び声、馬たちのいななき、戦士たちの鎧の音… ですが、全ての音は遠くからのもので、宮殿の庭の高い壁の向こう側からです。瑞々しい緑から辛うじて漏れ聞こえてくる程度です。ですが、この冷たい
「首都の雑音が聞こえます。商人たちの叫び声、馬たちのいななき、戦士たちの鎧の音… ですが、全ての音は遠くからのもので、宮殿の庭の高い壁の向こう側からです。瑞々しい緑から辛うじて漏れ聞こえてくる程度です。ですが、この冷たい静寂の中に、古代のイトスギの木の陰から、恋人同士の囁き声が聞こえます。私は… その恋人ではありません。ただの、イトスギの細い小枝です」
